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柔らかいスペアリブとアップルパイが有名なお店だと、友人から教えてもらった。白を基調にした清潔な店内で、話し込みながら肉をつつき、香りが良くて上品に甘いデザートで締めくくり。ふりつもった疲れがするりとほどけて消える瞬間だ。

ここのお店で出すような熱々のアップルパイにバニラアイスを添えたものを初めて食べたのは、環八沿いにあったカントリー雑貨の店「デポー39」だったと思う。当時ああいう品の良いカントリー雑貨の店は多くなくて、二階が喫茶になっているところはさらに珍しかった気がする。ひさしぶりに行ったら昔の同級生がバイトのウェイトレスとして出てきてびっくりしたこともあった。秋にはパイがねっとりと黄色いフィリングのパンプキンパイに変わるのも、まだハロウィン=かぼちゃ祭り的な狂騒が一般的でなかった頃で目新しかった。

そんなふうに、昔のことばかり思い出すのは年をとったからか。

記憶の中で営業を続ける店は、これからも増えていくのだろう。