深海生物図鑑

イラスト事典 深海生物図鑑

作者: 北村雄一

出版社/メーカー: 同文書院

発売日: 1998/07

メディア: 単行本(ソフトカバー)

ベストセラーになった『へんないきもの』などに先駆けて出版された、深海生物イラスト満載の本。息子の最近の気に入りで図書館で再三借りている。

深海生物のみならずさまざまな異形のイキモノを取り上げた『へんな…』は語り口がかなり大人向けで、不真面目な部分も多々あった。上っ面をなでていくような文体が「かるく読める」と受けた理由なのだろうが、すくなくとも子供向けではないと思う。息子にせがまれて買ったものの一週間しないうちに本棚の奥に隠してしまった。はやいところブックオフに流さなければ。

深海生物図鑑の著者は、前書きできちんと「最近はやりの"自分の感想や意見で行間を埋める式"の書き方はしないようにした。ほんのわずかな箇所を抜かして、文章の内容は幾つかの文献や教科書で述べられていることに沿うようにした。」と述べている。つまり著者の感想ばかりが流し書きされている『へんな…』の対極といえる。巻末にも詳細な参考文献リストがあって情報を確認しやすい。軽い本もいいけれど、こういう地道な本がもっと評価されたらいいのに。


「図書館やブックオフを利用することを、まかり間違っても『賢い生活術だ』と思ってもらいたくない。そう考えることは、出版業界を支えている購入読者たちへの、とんでもない侮辱である。」

本好きの友人が、東野圭吾氏の『さいえんす?』(角川文庫)の中から引いていた言葉である。彼女も書いていたけれど、面白い本ならいくらでも、買いますって。が、流通してる本の何パーセントが買うに値するのか。涙や感動、軽さを売りにしている本ばかりが本屋に並んでても買う気にゃなれませんな。ビンボーだし。図書館ラブは変わりません(笑)