有栖川祭。

掃除もせずに図書館へダッシュ。直前に新刊を読み終えた関係で、いわゆるひとつのアリスガワ祭となってしまった。凝ったトリックとロジックを誇る新本格ミステリはふだんほとんど読まないのだけれど、有栖川作品だけは読み続けている。理由はあるが、まあ、書くほどの事でもない。

有栖川有栖の密室大図鑑

有栖川有栖の密室大図鑑

著者: 有栖川有栖・磯田和一

出版社: 現代書林

作家小説 (幻冬舎文庫)

作家小説

作者: 有栖川有栖

出版社: 幻冬舎

発売日: 2004/08

白い兎が逃げる (カッパ・ノベルス)

白い兎が逃げる

作者: 有栖川有栖

出版社:光文社ノベルス



一冊目は、有栖川氏が密室を核にすえた古今東西の傑作ミステリを四十作選び出して、その部屋を磯田氏がイラスト化するというもの。An Illustrated Guide To The Locked Room なる副題がついている。「密室」という漢字からは、脱出方法のない部屋そのもの(その中に居る自分)を想像する。しかし英語で Locked Room と書いてあると、とたんに部屋から閉め出されて扉の前でとほうにくれる自分を考えてしまうのは、数々のへたれな経験のせいだろう。キーをホテルの部屋にうっかり置き忘れて部屋から出てLocked outされたのは、いずれも外国のホテル@英語圏でのことだ。裸足でフロントに走ったこともあるしな。

『作家小説』は、作家が主人公の奇妙な短編ばかりを集めたもの、らしい。

『白い兎…』は火村助教授ものの短編ミステリ集。こちらは出版当時、知人@関係者から「出ますからよろしく!」と宣伝されていたのに、ちょうど金欠でスルーしてしまって(三年前から貧乏性の徴候は出ていたということか)それきり忘れていた本だ。彼には申し訳ないことをした。『スイス時計の謎』も買ったきり放置になっているし。しかし『マレー鉄道の謎』だけは出版記念サイン本を持っている。トリックは明かせないが、y自身はサイン会には行っていないにもかかわらず名前まで入っているので、宝物として保管している(笑)

以前、有栖川先生のサイン&握手会に行った友人の話によると、先生の掌はとても温かくてやわらかくて「癒し系ってかんじ!」なんだそうだ。猫と同居する身としては、先生のその手が、作中の火村のように優しく愛猫たちを撫でているところを想像するだけでほのぼのする。

ちなみに本日の息子のチョイスは、『ウミウシガイドブック3』だった。

ウミウシガイドブック〈3〉バリとインドネシアの海から

ウミウシは、巻貝の仲間だけれど殻がない(ある仲間もいるけど)。英名sea slug (海のナメクジ)は非常に正しいが、地上のナメクジと違って、息を呑むほど華麗な色合いのイキモノだ。でも、やっぱりちょっと……形がなあ。