泣く理由。

テレビを消して、昼ごはんの支度をしながら、キャサリンと同じバツイチ子連れとして考えてみた。もし今日、前夫が亡くなったと聞いたら泣くか。

泣かない。泣く理由がぜんぜん思いつかない。当然喜びもしないけれど、悲しみもしない。「ふーん、そう…早かったね」で終わりそうだ。あ、でも死因は知りたいかも(鬼か)

キャサリンのように子供を間にはさんでしょっちゅうやりとりがあったり、顔を合わせてご飯を食べたりしていたら、それなりに情も湧く(というか残る?)んだろうが、うちの場合は、十年以上ご無沙汰している。アレがどこで何をしているのかまったく知らないし、知りたいとも思わない。

別れるときに「養育費をいちまんえん払うから毎月三回こどもに会わせろ」と難癖としか思えない条件をつけてきたので「いちまんえん要りませんからもう金輪際わしらにかかわらないでください」と返答して、それっきり。いちまんえん、って猫の世話代かねそれは。

あとになって考えたのだが、あれは本当に難癖で、こちらをいちまんえん云々で激怒させて、結果として完全縁切りに持ち込んで、息子をさっさと再婚させたかったあちらの親の陰謀だったのだろう。完全縁切りには成功したよ。おめでとう。

とはいえ、子供自身が父親に会いたいと主張すれば、こちらは阻止できない。それが法律上の決まりなのだが、本人にはそういう気配もない。いずれ会いたがるようなら何か手段を講じる…かもしれないし、講じないかもしれない。予定は未定。めんどくさ。

先日、児童扶養手当申請で役所にいったときは二重取り防止対策とやらで、前夫の名前と誕生日を書かされた。

申請した日の翌日が偶然、あれの誕生日だった。おかげで思い出したくもないことをたくさん思い出した。こちらと同じように、あれも十年分年をくっているんだろう。誰か、いっしょに祝ってくれるひとがまわりにいるといいが。やれやれ。