瞳孔散大を待つ。

息子の右目が真っ赤だ。正確には、黒目の右側だけなので、赤黒白の色違いトリコロール。友達が振り回した傘の先が目に入ったらしい。痛がるし、明らかに炎症を起こしているので眼科に連れていった。

眼底検査のために、ひとまずアトロピンを点眼されて、十五分待機。笑っちゃうくらい瞳孔が開いて、虹彩すれすれまで黒くなり、目の印象がまったく変わってくる。本人も面白がって鏡を見ていたが、やがてまぶしがって文句をならべはじめた。口が達者だからうるさいうるさい。すぐそばでママのとなりに座っておとなしくしている幼稚園の坊やを見習ってほしい。

細いペンライトをもった看護師さんが来てすっかり瞳孔散大した目を照らし、頃合いやよしと判断したのか、彼を連れて診察室に入っていった。

眼底は無事だったが、結膜に裂傷あり。抗菌点眼薬二種で様子をみることとなった。

時間調整にドトールに入り、冷たいものを飲ませながら点眼のしかた(一日四回だから学校や塾でもささなければならない)をとっくりとレクチャーして、学校に行かせた。うまくさせるんだろうか。コンプライアンス悪いと治らないよと脅かしたのだが。

駅に出る前に本屋によって『群青学舎』ゲット。レジ前平積み棚の最前列にまさに積み上げてあった。最初からここに来たかったな…。