藪で献血する愚。
このまえと同じコースをぐるりと回ってきた。前回の失敗を踏まえ、たっぷりと日焼け止めを塗って、スニーカーをはいた。ふだんは基本的に木陰を移動するので陽には当たらないのだが、このコースではそういうわけにいかないので、いつもの気分で出かけるとまた焼けてしまう。
今日はクヌギの樹にカナブンがいなかった。何かいないかと見回していると近所の人らしい男性が通り、「今年は樹液が少ないね」と話しかけてきた。「虫が全体的に少ないですよね」とこちらも答えた。この樹は、近所ではカブトが取れるところとしてよく知られているのでいろいろなひとがここで立ち止まっているのを見かける。
ヤマキマダラヒカゲだろうか。タテハの仲間は樹液にくるものが多い。
コジャノメ。昔はどこででも見かけたのだが最近はご無沙汰だったので嬉しくなって撮った。
クヌギの樹から離れて、丘の北側にまわりこむ。
藁を練りこんだ泥壁の納屋の横に広がる藪で虫探しを始めた。
トリバガの一種。不思議な形の蛾だ。うまく焦点を合わせることができなくてやっきになっているあいだに蚊が寄ってきて、大変なことに。
ツユムシだと思う。触角が長くてフレームにおさまらなかった。
一面に繁茂したヤブカラシの上に何かいる。
同じ写真のアップ。ドロバチの仲間だと思うがよくわからない。このハチを目当てに近づいていったのだが、足元が草に覆われていて、マムシがいたらと思うとなかなか大胆に踏み出せない。そのうち、忙しく歩き回っていたハチが、ぽてっと葉から落ちたりして(足をすべらせる虫は多い)、こちらの活動範囲の圏外に。がっかりして、うまく撮れたものはないかと画像を検分していると、ハチといっしょに写っている虫がいた。葉の影でこちらからは見えなかったのだ。まだそばにいるはず、ときょろきょろするといた。
ヨツスジトラカミキリ。小さいけれど立派にカミキリ一族の顔をしている。
形はハゴロモに間違いないのだが、こんな緑色のは見たことがないと思って調べた。アミガサハゴロモは、羽化したばかりは緑色の粉に覆われているが、それがやがて剥げて地味な色になるらしい。カメラを構えていると、こちらの動きを察知して、両の翅を交互に掲げはじめた。敵の眼を逸らすための動作なのだろうがどう役に立つのか不明。簡易手旗信号?(違)
一回叩くと蚊が四匹落ちる状態になってきたので(写真を撮りたいようだった)退散することにした。腕がぼっこぼこに食われて、叩いた蚊の腹から流れた血で褐色のまだらになって、不気味なことおびただしい。が、藪の出口で小さな虫を見つけてまた足を止めた。
五ミリ弱くらいの棘だらけのちびさん。小さくて撮るのが大変だった。グンバイとかその類かと思ったが、シマサシガメの子供のようだ。
追記:その後調べたところ、キバラヘリカメムシの子供のような気がしてきた。このサイズの幼体の画像が見つからないのだが、腹の黄緑色がそれっぽい。素人が同定するのは難しい…。
カラスウリが葉陰にたくさんぶら下がっていたが、落ち着いて撮っていられないほど腕がかゆい。うちに走って帰って刺され跡でまだらになった腕を冷やし、抗ヒスタミン軟膏をすりこみまくった。ああ、こんなに献血しちゃって…。