冒険小説と百合。
出かける家族に、車中で読むのに何か面白い本はないかと訊かれた。
このまえそう訊かれたときは、買ってきたばかりの『白楼夢』を貸してわりと好評だったので(自分はまだ未読…)、生島治郎『黄土の奔流』を渡した。前者はイギリス植民地時代のシンガポールで、今回は上海からはじまる中国冒険譚。そのまえは林巧の『マカオ発楽園行き―香港・マカオ・台北物語』。アジアばかりだ。
ファンタジーやSFはむこうの趣味に合わないので、そのほかから面白いネタを、となるとついミステリ系に偏る。年も年だしあんまりどぎついのは貸せないが、本読みとしての誇りにかけて、がっかりさせたくはない。リーダビリティの高いものをと思うと難しい。ミネット・ウォルターズの作品群はおおむね好評だったが、いちばん最近出た『病める狐』はまだ上巻しか買ってないし…。
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- 作者: 林巧
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冒険小説の大御所である船戸与一の作品もずいぶん読んでないので、今度何か読もうと思っている。
なんとかもっと女性らしい(というか女性作家が女性読者を意識して書いたと思しき)本を読もうとした時期もあって、山本文緒や江國香織の作品に手を出したこともあるのだが、なじめなかった。いわゆる「女らしい」話に耐えられないのだ。めんどくさくて。*1
唯川恵にいたっては何かの日常ホラーのようにしか思えなくて、新規開拓は断念した。しかし外国産の濃厚なロマンス小説はたのしく読めるのだから不思議だ。
最近はやりの百合ネタも、女子校で現物を見てきたので、そのどろどろばかり思い出してしまって、すなおに楽しめない。BLとおなじファンタジーの一種とわりきればいいんだろうけれど。『マリみて』もおなじ理由で手が出せなかった。久美沙織の『丘の家のミッキー』はわりと面白く読めたんだが。*2
そうだな、百合漫画でも『少女セクト』は悪くなかった。松浦理英子の『ナチュラル・ウーマン』や『葬儀の日』をあの絵で読みたいとか思ったり。邪道か(笑)
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丘の家のミッキー 1 お嬢さまはつらいよの巻 (丘の家のミッキーシリーズ) (コバルト文庫)
- 作者: 久美沙織,竹岡美穂
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