カサ・デ・フジモリ

三十年来のつきあいの友人とその旦那さん、かれらを介して知り合った虫屋のご夫婦となごやかに忘年会。パエーリャを含むコースを頼んでおなかがいっぱいになった。目黒店は大昔あのあたりで働いていたころに行ったことがあるが、関内店は初めてだった。

ひさしぶりにお会いした虫の師匠の専門は、甲虫の一部門である。昨夏は高尾山に徹夜で虫取りにでかけたときに職質に遭遇したらしい。

職質警官は二人一組で現れ、片方はベテラン、片方は新人ぽくて、ベテランが新人に行ってこいと促していたように見えたそうだ。師匠は、いつものようにお手製の竿の長さ十メートル・網の直径一メートル近い巨大虫取り網(持たせてもらったことがあるがまるで吹き流しの竿を振り回しているようだった)を携えていたはずなので、虫取りのひと以外には見えなかっただろう。あれは伊達や酔狂で振り回せるものではない。警官たちは、たぶん「安全牌」で職質の練習をしたのではないか。失敬なw

秋は新潟で虫を取って、そこでしか取れないタイプの甲虫(翅が開かないので飛べない=体色などに地域差が出る)を数十頭ゲットしたので、標本をくださるといっていた。わーい。