『パラダイス・クローズド』
美樹と真樹は美形の双子兄弟、DNAは完全に同一の個体でありながら、ひとりは死神、ひとりは名探偵。彼らが、お目付け役の刑事とともに太平洋の孤島に渡ったそのときから事件の幕が上がる。
去年『虐殺器官』を読んだときも思ったのだが、日々ネットでよく目にするタイプの文体とノリでテンポよくつづられているので、ネット閲覧時と同じ超スピードで読みすすめることができた。最近のヤングアダルト本ってみんなあんな感じなんだろうか。アクアリスト(水棲生物オタクといったほうがわかりやすいか)である「死神」美樹君のモナコ水槽についての薀蓄など、イキモノ好きには面白いと思う。そういう界隈が好きな人間にはよく知られた知識をこんなふうに繋げて、巧みに編み上げて、ミステリの土台にするのかと面白く読んだ。
つか、女将!
お忙しいとは思いますが、ぜひ読んでみてください。
「最終兵器」が笑えます。同じことを考えるひとがいるとは思いませんでした。