花腐し

花腐し

花腐し

読了。芥川賞受賞作だったので、しおりは岩波さんにお願いした。

ずっと不思議に思っていたタイトルは、卯の花ことウツギが咲く五月に降る長雨の異名、「卯の花腐し(くたし)」から取られていたのを知った。「ひたひたと」「花腐し」の二編を収録。読んでいるうちに自分もだんだんと腐って、茸が生えてきそうな気分になってくる。湿っぽくて、行間から何かの汁が滴ってくるようで、一行ごとに悶えたくなるダメダメさが好きだ(痛)