剣の道。

子供が医学部剣道青春小説『ひかりの剣』を読み始めた。

やったことがない自分にはわからない稽古や試合の描写がするするとしみこんでくるらしく「場面読み終わるたびに(自分も)稽古したみたいだー」という。

昨日、稽古から帰った彼から聞いた話。

防具をつけて数時間汗を流してから家に帰って、iPodで好きな曲(Greeeenとかキマグレンとか、中学生がよく聴きそうなアルバムである)を聴くと、とてもテンポが遅いと感じるのだそうだ。瞬時の動きで勝敗が決してしまうのはどんなスポーツも同じかもしれないが、練習後にそういう感覚のずれが生じるというのは面白い。

とはいえ、剣道はスポーツではないらしい。将来にわたってオリンピック種目になることもないだろうと、その筋のひとから聞いた。北京オリンピックで柔道の試合を見ていれば、武道と呼ばれたものが国際スポーツ化するというのがどんなことかは、門外漢にもなんとなくわかる。

剣道を極めたそのひとによると、剣はあくまで道、一瞬の勝敗ではなく、一生追い続けるものなのだそうだ。

そういうのがある人生ってどんな感じなのだろう。