そろそろ一世紀。

親戚のお見舞いに行ってきた。

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1910年に札幌で生まれた彼女は、幼い頃は、税務署に勤める役人だった父親について道内を転々とした。札幌から旭川、宗谷、網走。ひとところにとどまるのは長くて一年半。引越しには馬車を使ったという。

長じて、津田塾大学(当時の名は女子英学塾)に進学。卒業後は長く英語の教師を務め、当時としてはかなり遅い結婚をして、一男一女をもうけた。

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今日、彼女に付き添っていた娘さんについては、以前から学生時代にロシア語を専攻したと聞いていた。どうしてロシア語を選ばれたのですか、と尋ねると、英語教師の母親とつのつきあわせたくなかったからですよ、と穏やかに笑っていらした。納得。

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耳も遠くないし、お話もまったくよどみがない。

気丈で誇り高い彼女が、無事に99歳の誕生日を迎えることができますようにと、見上げた空に居る何者かに祈らずにはいられなかった。