掘る、滴る。

専業主婦の暮らしは無限に、自由な空気の中を泳ぎ回っているように見えるのかもしれないが、実際は果てしない雑事が積み重なる地層を堀り抜く力仕事である。固い岩盤にぶち当たって連日突貫工事になると、作業の合間の休みはますます細切れになり、集中を必要とするほかの作業は、何もできなくなる。

書きたいことはいろいろあっても、ここで書けない内容もある。しかし、ここではない別の場所でなら書けるかといえば、そうではない。告解に似て、地上の誰にも告げることはない想いは知らぬ間に胸のうちに流れ滴り、穴を穿ち、地底の湖水のように量を増やしていく。