ひるやすみ。

流れる汗が目にしみる庭仕事を終えて、涼しい部屋で昼を食べている。足下の床には太った猫がセメント袋のように横たわり、後脚の裏の黒い肉球をこちらの足の甲に押し付けている。何か夢を見ているのか、猫の脚先はぴくぴくと動く。冷房の効いた部屋のなかで、そこだけは温かい。

あまり観たことがないドラマ『ボストン・リーガル』にチャンネルを合わせた。往年のカーク船長ことウィリアム・シャトナー氏が出ているのにしばらく気付かなかった。見ないあいだにずいぶん水平方向に成長していて驚いた。話は人体冷凍保存(クライオニクス)の権利を争うというもの。安楽死を許すか否かに繋がるので裁判沙汰になるらしい。

例えば凍った血は氷の結晶で細胞が破壊されるから血液型も判別できなくなると聞く。専門的にはそういうアレな害を回避するエレガントな方法も考えられているんだろうが、素人から見るとひたすら実現は難しそう。