twitter社会論

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

新しい機械に初めてさわるときは、説明書は必要最小限しか読まない。見ただけで直感的に操作できるときはマニュアルはしまいこんだきり手に取ることもない。カメラがいっこうに上達しないのもその野蛮な習慣に原因があるのだろう。

twitterも、同じようにして始めた。ネットのサービスは、どんなものであってもある程度の期間耽溺してみなければその性格がわからない。やっているうちにネット/リアル友人が流入して、かれらのつぶやきを読んだり、互いにやりとりするのが楽しくなって、現在に至る。

twitterは「140字で投稿するマイクロブログ」と説明されることもあるが、実際に使ってみると、ブログとはまったく異なっている。たとえばここで雑記を書くときは画面と自分のあいだにワンクッション入るが、twitterは思考や一瞬の想いにすきまなく寄り添ってくる。思考中継に近い投稿に反応が返って来るのも、ほかのひとのつぶやきでその投稿が遠く押し流されていくのも、とても速い。言葉が泡立つ渓流に立って釣りをしているような感覚がある。そしてその即時性は、流れるタイムラインの向こうにはたくさんのひとがいるのだと強く感じさせてくれる。

日々のつぶやきの数が5000を越え、フォロー人数が200人に近づいたところで、自分のごく狭い観測範囲から離れてtwitterの概観を掴むための取説としてこの本を買ってみたのだが、とても面白かった。つぶやいたことがあるひとにもないひとにもお勧めの入門書である。