草薙素子のいない公安九課みたいなドラマ、『外事警察』。

外出や雑事の合間をぬって家人が録ったNHKドラマ『外事警察』全六話を観た。原案は覆面作家麻生幾、脚本の古沢良太は映画『ALWAYS』『キサラギ』などで賞を取っている実力派。放映前に短い番宣を観て、公安ネタにちがいない=面白そうだとは思ったものの、例によってテレビの前に座る時間はとれず、家人が気を回してくれなければスルーしたことさえ忘れて終わっていただろう。家人によれば「ものすごく好きそうな話だけど、どうせバタバタして見てないだろうから録っておくか」と始めて、そのうち自分がハマったとか。*1

そんな具合いで事前の仕込みもないまま観たが、話の密度や映像が海外ドラマに太刀打ちできそうな濃さで、俳優人気に寄りかかった軽薄お手軽漫画原作ドラマばかりが流行る日本でもこういう作品が出来るのかと失礼ながら感心した。渡部篤郎やら遠藤憲一やら、うさんくさげな俳優陣も内容にぴったり。家人は「最終話くらいでNHKっぽい話にまとまるかと思ったが、どんどんエグくなってくから覚悟したほうがいい」と云っていたが、このエグさこそがこちらの秘孔を射抜くスイートな拷問具なのでまったくもって無問題。

高村薫馳星周などの作品や、タイトルに掲げたとおりに『攻殻機動隊』(特に押井テイストの作品群)が好きならとても楽しめるだろう。新年明けて1月10日に全話再放送されるので、公安やらインテリジェンスやらが好きな方面はぜひ。

同じく録画を見せてもらった『サラリーマンNEO』の冬スペシャルに、姜先生が颯爽と出てきて、大真面目に嘘美術解説をしていたので驚いた。報道男こと生瀬氏と同様に「番宣…?」とつぶやいてしまったのは秘密。

*1:こちらの萌えや趣味に関する彼の勘は鋭くていつも驚かされる。表立っては公言していない部分まできちんと把握しているようだ。陰謀渦巻く地味ネタが好きだと看破されるのもアレだが、実際、鼻血が出そうに萌えるのだからしかたがない。