不滅の魔炎。

日々悪化する原発の状況を観るために、新しいカードを使うことにした。ドイツ生まれのHaindl Tarot。何かのはずみで買って、そのまま棚で眠らせていた。使い慣れたウェイト版準拠のものに比べると、世界のさまざまな隠秘学的サインを取り入れた図像を読むのが難しそうだったのだ。

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パッケージを開けて、数字と組の順にきれいに並んだ78枚のカードを崩した。問いを念じつつ混ぜるあいだ、こちらを睨みつける裏面の模様が怖いが、気にしない(笑

最初に引いたカードは、大アルカナ14番目の『錬金術 Alchemy』。人間が作り出した不滅の炎が燃え続ける炉をあらわすのにこれ以上はないと思えるカードだが、ウェイト版の系列であれば『節制 Temperance』の位置であって、これは両手に持つ杯で水を移し換える天使の絵が描かれている。キーワードは「不滅の技」「水」「状況のコントロール」…連なる九枚の札が何を語ったかはここには書かないが、石(Haindlでは金貨=石)の属性を持つ図像が多くあらわれて、「大地」を強く感じさせる展開だった。

あれがこれからどのような「結末」を迎えるとしても、子供たち、そのまた子供たちの世代まで負の遺産として残るだろう。座してカードを弄することしかできないのが情けない。