僕の魔剣が、うるさい件について

 主人公の高校生が手にした古い謎の魔剣がオンナノコになって彼に付き従う。これはラノベのお約束。ターゲット向けのその縛りをクリアした先が、書き手の勝負どころである。

 手にしたものを逆に操り、倒した敵の魂をすする剣の源流は、伝説の妖刀・村正であったり、メルニボネの龍帝の黒い剣だったり。それら始祖の邪まな輝きをほうふつとさせる描写をはさみながら*1後半は燃えるバトル展開に突入。剣たちの名に凝らされた工夫も楽しかった。次巻に期待。

 息子に云ったところ、さっそくクラスで一、二を争うラノベ読みたちに話をつけてきたらしく「貸して、あいつらの感想聞いてみる!」。って、いやそこは、買って読めって勧めなきゃだめだろ…。

 表紙の縞々部分については、帯カバーで隠れているので慎み深いヲトナもレジに持っていけます云々という話がtwitterで出ていたのだが、息子が上記の友人たちにその話をしたところと、開口一番、「何云ってるんだ…! 表紙にパンツがないラノベなんてラノベじゃないだろ!(熱弁」だとか。というわけで、ええと、マーケ的には縞々が必須なのだという理解でよろしいか。

*1:とくに黒い剣のアレは、きちんと描写するとかなりヲトナ方面に傾きそうな設定だったのをいまさら思い出した。