枯葉の中の青い炎、御書物同心日記。

枯葉の中の青い炎

枯葉の中の青い炎

著者:辻原登

出版社/メーカー: 新潮社

発売日: 2005/01/26


御書物同心日記

御書物同心日記

著者: 出久根達郎

出版社/メーカー: 講談社

発売日: 1999/04


図書館で借りてきた本。

図書館のPCで予約すればなんでも手に入るから、ほんとに便利だ。


「枯葉の中の青い炎」はちょっと変わった短編集。川端康成賞を受賞した表題作の紹介にあった「南洋の秘術」という語にひかれて読んだのだが、狙い通りだった(笑)

パラオに赴任中のナカジマこと中島敦も特別出演。

「御書物…」は、将軍様の文書庫を管理するお侍さんたちの話。同心→八丁堀→江戸時代の刑事ものみたいに思うけれど、こちらの同心は、いまふうにいえば公文書館の役人。なにせ将軍様の大切な本なので、いちいちしきたりもうるさくて大変。著者氏はいまのところ、某新聞にて人生相談の回答者をやっている。老獪だけれど優しい回答を読むと、とてもためになる。親戚にあんな智慧者がいたら、なんでも相談できるのにな。


図書館といえば。このまえ借りた有川浩の『海の底』の後半には細かい毛髪がたくさんページにはさまっていて、不気味だった(笑)クライマックスに近くなるにしたがって、どんどん増えていくその毛の長さは約5ミリほど。しかも毛根つき。うーん(汗) 眉毛か睫毛か鼻毛か…。話の中身はまっとうな怪獣来襲+青春もの(突然横須賀を襲った巨大甲殻類群! 若い潜水艦乗り二人組が子供たちを助けて云々)で、若いひとにも人気があると思われる本である。女の子があれだけ毛をむしったら大変なことになると思うので、鼻毛に不自由しない若い男子かなあ、と想像してみた。いや、顎からヒゲをむしったのか? 興奮すると自分の毛を抜くタイプだったんだろう。

次に読む人がかわいそうなので、ティッシュでできるだけ払い落としたのだが、毛根部分がページにくっついていて手こずった。本そのものは大変よい出来だったので、同じ著者の『図書館戦争』もいずれ読んでみよう。

図書館の本については、血痕つきの本を引き当てたという友達の嘆きを聞かされたことがある。ミステリの最初のページの登場人物紹介に「こいつが犯人」とエンピツで書き込んであったとかいうのもよく聞く話だ(都市伝説の一種か?)

とにかく公共のものなんだから、大切にしてくれ…。