蟲師7

蟲師 (7)  アフタヌーンKC (404)

蟲師 7

作者: 漆原友紀

出版社: 講談社

発売日: 2006/02/23

帰りに本屋で買った。文庫本だけでなく漫画まで買うのを我慢していると暴発するので、読みたい漫画新刊はさくっと買うことにしている。

巻を重ねてもう七巻。「蟲」という存在を通して人間の業を描く筆致はますます冴えている。

初期短編集『フィラメント』所収の本作プロトタイプともいうべき『虫師』では、まだ俗っぽいイメージだった「虫」は、『蟲師』においては、形の定かでない原生動物めいた存在となって不気味さを増し、そのぶん純粋に「人間のあずかり知らぬ規則に従って複製を繰り返す自然」を体現している。漆原氏は、虫や草木の生態に詳しいのだろう。架空の存在であるはずの「蟲」たちの有り様やその生存戦略の設定に、生物学的な齟齬がないことに、いつも感心する。ときどき、持病の飛蚊症のせいで視界にふわふわと変な形の「ゴミ」が飛ぶことがあるけれど、そういうときはどきっとする。まさか、いるはずはないのだ。でも―――と。

NHKラジオの「ビジネス英語」のテキストも買ってみた。翻訳のときに出会った変なギョーカイ用語(変なっていうな)は知ってるけれど、ふつうのビジネス英語っていまいち知らないので。


息子にもなんか読ませるかと思って、目についた薄い文庫本を手に取った。舞城王太郎氏の『熊の場所』(講談社文庫)だった。最初の一篇を試し読み。小学生が語り手で、語り口もいつもの句読点が少ない感じで流れはいいが……うーん、これはいかん。スプラッタすぎる。ネタを割るので書かないがこれはちょっとグロい。猫をかわいがってる十歳児には読ませられない。

熊つながりで堀江敏幸氏の佳品『熊の敷石』を思い出したが、あっちはまだ小学生には難しいし。重松さんくらいかなあ。で、藤崎氏の短編集『レフト・アローン』(ハヤカワ文庫)は買い忘れた。ちっ。