血の匂いを嗅いだことは?
きのう、ヨコミゾ系の映画はホラーっぽいと書いた。
今日見かけたのがここ。
5位までに二作品がランクインしている。『八つ墓村』では昭和13年に実際に起きた「津山三十人殺し」を題材にしているから、推理をそぎ落とした事件部分だけを見れば完全にホラーか。推理小説は、イキモノとして最大のタブーである「同族殺し」=殺人を大前提にして成り立つ罰当たりなジャンルだ。ホラーに区分されても不思議はない…んだけれどね。津山事件についていますこし調べてみたら、1996年にタスマニア島で35人殺しが起きるまでは、史上最悪の大量殺人事件だったらしい。(http://tokyo.cool.ne.jp/meikyu/art00/asi0002b.html)タスマニア島の事件が現代風の銃乱射だったのに対して、津山事件では、凶器が斧と日本刀と猟銃その他だった。現場は酸鼻を極めただろう。
この「酸鼻」という言い回しもなんだか怖い。というのは、
むごたらしくて、見ていられないこと。「~の極/~をきわめる/な事件」 表記「惨鼻」とも書く
(新明解国語辞典)
鼻にしみてなみだが出そうになるほど、いたみ悲しむ。
(角川新字源)
微妙に意味が違うような。てか、まとめてみていいですか。
むごたらしい現場に遭遇→何かが鼻にしみる→涙が出る→見ていられなくて顔をそむける
というわけで、昔からすごく気になってるんですけど「酸っぱくて鼻にしみる」ってまさか血の匂い?(・∀・)ギャー
新鮮な血はかなり匂いが強い。
って、これは殿方はあまり知るまいな(笑)<職業的に血を見る機会が多いグループ除く
池波氏の『鬼平犯科帳』のなかに、身に染み付いた血の匂いを消すために梅の香りの髪油をつける話がある(「暗剣白梅香」)。読んだころ(小学生だった)は血も梅の香りもよくは知らなくて、あっさり読み流してしまった。が、この年になって夜道に漂う梅の香りに、なるほどこれならあの匂いもごまかせるだろうと納得した。←梅の花を見るとあの話を思い出すという、ひとにいえない刷り込みも形成されている。
毎月の身体のサイクルによって嗅覚の感度レベルが変化するのには、前から気づいていた。何もないときは気にならない電車内の匂いが、「当該期間」に突入する数日前からは、耐え難いほど強く感じられるようになる。この理由は『匂いのエロティシズム』(集英社新書)を読んである程度は解けたのだが…眠いのでまた今度。