A burnt blogger dreads the fire.

仕事に取り掛かる前にいつもの巡回先(横浜逍遥亭 http://d.hatena.ne.jp/taknakayama/20070706/p1)で「実名ブログが増えるのは日本の社会の風通しをよくすることに幾ばくかなりともよい影響を及ぼすのでは?」という記事を読んで考え込んでしまった。

日本語で書かれたブログは、世界全体のブログ投稿数の約40%を占めているそうだが、そのなかに実名ブログはどれくらいあるのだろう。上記のエントリでは、『Web人間論』で梅田氏と平野氏が「現世の実利を求めるなら実名の露出は必要」なる見解の一致を見たとも記されている。自分は上記の本を読んでいないので前後がよくわからないが、現世の実利を求めてブログをやっているひとはどれくらいいるのだろう。実名でやるのならSNSで十分なんじゃないだろうか。

ものの例えだが、たとえばはてダが実名義務制のSNS化したら、自分はここで書くのをやめる。

実名投稿を忌避する理由は、面識のない第三者からの攻撃を受けやすくなるからだ。前にも書いたと思うが、以前、複数の友人がネット上の匿名の攻撃に遭って、著しい被害とダメージを受けたのを間近で見た。偵察と支援に回った自分自身、とても厭な思いをした。彼らのサイトを開くたびに事実とまったく異なる悪口雑言のオンパレード、あるいは個人情報のさらしあげが目に飛び込んできた。騒ぎがようやくおさまった後に残された損害も甚大だった。

ある日突然始まるそのたぐいの攻撃から身を守る方法が存在しない今、ネットで実名をさらすのは自殺行為だという恐怖は、根強く身体に染み付いている。そう、それはキーを打つ指先が冷たくなるような恐ろしさだ。考えるだけで、ここのブログもいますぐたたみたくなってくるほどの。

…書いている間にどんどん気持ちが硬化して、ダンゴムシのように柔らかいところを守る姿勢になっていく。基本がチキンなものだから、ふだん忘れているトラウマ反応が出たのだ。ちょっとオヤスミしてこよう。