密林を望遠鏡で覗く。
朝のテレビで、映画初日挨拶での態度の悪さを叩かれた若い女優が、自分のHPに謝罪文を載せたというニュースを流していた。それを見ていた息子が「このひと、ほんとうにホームページに書いたみたいに自分が悪いと思ってるのかなあ」とつぶやいた。彼はぼんやり系の性格なのに、きついことをぽんというのでときどきびっくりする。
たしかに、本当に心底謝罪したいと思っていたとしても、ああいう最悪の態度を一度披露してしまったら、また信じてもらうのは難しい。信用を失くすのは怖い。
他のワイドショーを流し観ていたところ、あの態度そのものが演出、演技なのではないかという見方をするひともいた。ぜんぶがネタということか。芸能界の論理は難しくてよくわからない。
ま、ご本尊は若く美しく、演技力もあるらしいから*1 視聴者としては、本業でがんばってくれれば態度が悪かろうと性格がアレだろうとなにもいうことはない。*2
とはいえ、若さと美しさは他の存在でも取替え可能な属性だから、それら以外にとりえがないなら(あるいは欠点がそれらを覆い隠してしまうなら)、あとからあとから湧いてくるもっと若く美しい他の女優に取って代わられて消えていくだけだ。奇怪な密林のような芸能界でも、劣った個体から淘汰されていく点では、素朴な自然と何もかわることがない。