若い闘犬。

若いボクサーとそのトレーナーの謝罪会見を観た。

対戦相手に対する激しい暴言や恫喝で耳目を集めてきた彼ら親子が出演する番組はずっと避けていた。彼らのふるまいを指して「パフォーマンス」といういいかたをするのをよく聞くが、自分にはあれが地のように見えてしかたがなかった。闘犬ならば黙って戦えばいい。それが犬の価値であり、存在意義だ。無駄に歌ったり吠えついたりするのはルール違反だろう。

結局、謝罪の言葉もないままに、若者は会見の席をわずか数分で離れた。残ったトレーナーは反則指示をあくまで認めなかった。トレーナーとしても父親としても、あるべき姿を示しているとは思えない。息子が勝手に反則行為に走ったとでもいうのだろうか。子供に道徳も教えず、かばうべきところでかばいもしないとは。

対戦した礼儀正しいチャンピオンは、挑戦者の技能を誉めていた。諦めなければチャンスはそこにある。グッドラック、坊や。独り立ちして、紳士の言葉と拳で正しく語れるようになったらまたリングに帰っておいで。