虫の弟子入り志願。

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幼馴染から花束をもらった。一歳半年下の彼女とのつきあいは、彼女が生後三ヶ月のときからで、それ以来ずっと姉妹のように過ごしてきた。

彼女のところの小学校低学年の長女は虫やイキモノが好きで、幼稚園時代は、友達とかくれんぼをしていてもいつのまにか虫を追ってそのまま姿を消してしまったりしていたらしい。ひょうひょうとして、さっぱりした口調で受け答えをする女の子だ。

「ひとりで絵を描いてるとき、女の子を描いたその横にヒョウモンダコとか描いてて、いますごく有毒生物に凝ってるのよ。虫とか、そういうのとか、すごくyちゃんと話が合うと思うんだ。あの子にもそう云ったら『yおばちゃんといっしょに虫取りにいきたーい』って目がキラキラしてた」と、こちらの趣味を知り尽くしている彼女は云った。

彼女自身は花や雑貨をデジカメマクロで絵葉書風に撮る達人で、ブログは夢のように優しい写真で溢れている。しかし虫はむかしからあまり得意ではないので、こちらに頼むというわけだ。ははは、では来年春から弟子にとりましょう(笑)

夕方、息子を塾に送って帰ってきたら、薄暗い玄関前に小さな黒いものが落っこちていた。正体は、見た途端になんとなく予想がついた。そのまま放置すれば誰かが踏んでしまうかもしれない。つまみ上げる前に、見立てが違っていたときの万が一を考えて腰をかがめ、ケータイのライトで照らしてみた。

細い黒い身体にオレンジ色のライン。ツマグロヒョウモンのお子様だった。

やっぱり君か、と拾い上げて、庭に持っていって、鉢のパンジーに移してやった。上半身(というか前半分)で葉につかまったとたんに食べ始めるところはツマグロ特有の図太さだ。やれやれ。今年はツマグロのお子様の当たり年だろうか。この種のちびは、蛹にもならずにそのままの姿で越冬する。うちの庭にはパンジーがいっぱいあるから食べ物には困らないはずだ。がんばりたまえ。