ケータイ小説に対する私的書評の洪水。
まあ、『恋空』の内容については、私自身ケータイで一応読んだ上で今回は触れないことにしますが(触れるとしても当分先)、どう考えてもまったく読まずにネタを投下しているとしか思えないレビューが半分以上に上りますね。★の付け方もまったくの無意味。ここにAmazonレビューの脆弱性を見ました。
GOD AND GOLEM, Inc. -annex A----Amazonで『恋空』のレビューが800件に達している
こわいもの見たさで出かけていったら、本当にものすごいことになっていた。あまぞぬ側は何か手を打つのだろうか。
もう一件、gginc氏の11/18日付「小論文:TRPGとカウンターカルチャーの関連性についての論証」を読んでいて思い出したこと。
何十年も前、大学入学時に愛読書を書けといわれて何も思いつかず、適当なところで「定番」といわれていた大学関係者の本と、ちょうど読み終えて感銘を受けた『指輪物語』を挙げた。
あとになって、それを目にしたらしい某政治学教授から『指輪物語』を挙げた意味を問われた。「ええーと、いえ、単に好きなだけですが…」とやや面食らって答えたところ、彼は「アメリカではベトナム反戦運動にかかわった若者たちが愛読していた本なんだよ。反戦やヒッピー文化と縁が深かったこの本のタイトルをこういう形で目にするとは思わなかった」と感慨深げに教えてくれた。これから政治学を学ぼうという新入生が、わざわざそういうタイトルを挙げるとは、何かウラがあるのか、それとも、と非常な興味をそそられたらしい。
深読みしすぎですよ先生、と当時は思ったれけど、物語が純粋な「物語」として読まれるだけではなく、読まれる時代、読む世代によってさまざまな意味が付与されていくと知った今では、彼が感じた興味と当惑を理解できるように思う。自分はファンタジーを読むだけで、ゲームもTRPGもやらないけれど、草創期から今までのそういう流れを詳細にまとめた本があったら読んでみたい。