デモンベイン+古橋秀之

斬魔大聖デモンベイン―機神胎動 (角川スニーカー文庫)

斬魔大聖デモンベイン―機神胎動 (角川スニーカー文庫)

二作目の『斬魔大聖デモンベイン 軍神強襲』とともに読了。

古橋氏の作品は『ブラックロッド』三部作しか読んでいないが、彼のあのノリなら間違いないだろうと思って購入した。

このデモンベインシリーズは、オカルト+クトゥルー+熱血巨大ロボットバトルを18禁ゲームにぶちこんだ日本ならではの作品。魔道書アル・アジフナコト写本は美少女の姿で出てくるし、魔術師は鬼械神と呼ばれる巨大ロボを操って戦う。敵はブラックロッジのマスター・テリオン。ってそれは希代の黒魔術師アレイスター・クロウリーの別名だ。wikiで設定を知った当時は、こんなに「濃く」て大丈夫なのかと思ったが浸ってみると心地よいものだ。<オタクの真骨頂

原作のゲームが『ブラックロッド』シリーズの影響も受けているそうなので、その著者の古橋氏が外伝を書くのはごく自然な流れらしい(笑)

濃縮ジュースみたいに各種クトゥルーネタやオカルトネタがてんこもり、さらに古橋氏らしい展開で楽しめた。「バルザイの偃月刀」やら「I AM PROVIDENCE」といわれて何のことだかすぐにわかったら大丈夫。クトゥルーをこちらで知ってから、膨大な量の原典に当たるとかえって辛いかもしれない。

三作目の『ド・マリニーの時計』も探そう。ラムレイの『タイタス・クロウ』の翻訳の続きも出ないかなあ。