小さな悪の華

小さな悪の華 [DVD]

小さな悪の華 [DVD]

きのうの映画を返しに行って、去年からほうぼうで話題になっていたこの映画を見つけたので借りてみた。

カトリック系の寄宿学校に通う美少女二人が、サタンに帰依し、放埓な悪行を重ねていくうちに…というフランス臭むんむんの70年代映画である。

昼日中から観る内容じゃなかった。ましてや、チリパウダーをかけすぎたタイ風やきそば*1など食べながら観てはいかんかった orz

黒髪の少女アンヌと金髪の少女ロール。二人とも裕福な家庭の一人娘で、とくにアンヌは姓にdeがつくし、パパがcomteというのは、つまり伯爵家なんだろう。住んでいるのはまさにワインのラベルに描かれていそうなシャトーである。ロールの家も屋敷と呼ぶにふさわしい立派さだ。年はともに15歳。表情は大人びているが、身体つきは子供と大人のちょうど中間で、胸はあるけどウエストはあんまりない。話の中では、金髪のロールが大人を誘惑しては危ない目に遭う。小生意気な年頃ならではのみえみえの子供の悪戯なのに、牧童から通りすがりのいい年のおっさんまでみんな獣のように飛びついてくるので、ほんとにあきれる。「据え膳食わぬは」的おフランス脳なのか? それとも「男はみんなオーカミよ」原理で片付けていいのか? でもまあ、あのまぶしい美少女に誘惑されたらいろいろとどうでもよくなるのは、わからないでもない。若さゆえの残酷さってのはまったくもって度し難い。

日曜ミサで拝領する聖餅を食べてしまわずに貯めているあたりで、彼女たちが何をしようとしているかは見当がついた。聖体は、悪魔崇拝には欠かせないアイテムなのだ。

シスターたちが行きかう寄宿学校の、ある部屋の壁に古めかしい教皇の写真がかかっていたのをなつかしく見た。この映画が撮られたころの教皇は、パウロ6世だったろうか。何年か前に訪れた自分の母校でも、むかし在籍していた頃はヨハネ・パウロ2世の肖像が飾られていたところに、銀河皇帝ベネディクト16世のそれがかかっていて、時代の移り変わりを感じたのを思い出した。

*1:いわゆるパッタイ。レモンを絞って食す。おいしいのだがつくりすぎた。