冥王星パーティ

冥王星パーティ

冥王星パーティ

著者を二度裏切ったことがある。

一度目は本屋で。

デビュー作『ラス・マンチャス通信』を買いに行ったのに見つけられず、おなじ姓の平山夢明氏に目移りして『独白するユニバーサル横メルカトル』をレジに持っていった。

二度目は図書館で。

やっと『ラス・マンチャス通信』を借りたにもかかわらず、多忙のなか、最初の十ページほど読みかけたところで期日になって、そのまま返却した。

さて、三度目をやらかすとペテロ並みの大罪を犯すことになりそうだと思いながらこれを借りてきた。

ぐうぜん、ネットで見つけた高校時代の女友達のサイト。話はそこから始まる。筋立ては暗めといっていい。長い長い軌跡を経て、ふたつの星はまためぐり合い、別れていく。爽やかな読後にほっとして、本を閉じた。