大工の熊子さん。

クマバチ。一眼で初めてトライするには動きが速すぎたが、記念ということで。

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頭上で旋回する羽音の唸りに気づいて、草むしりの手を止めて様子を見ていると、ひとしきり家の周囲を偵察したあとで、庭の端の垣根の杭に沿って上下しはじめた(上の写真)。やがて、どこかに止まったらしく、羽音がやんだ。それきり飛んでいく音がしないので垣根を覆う植え込みを覗いてみると、杭の裏側に丸い孔が開いていた。しばらく見ていると孔からいそいそと出てきて、また翅を震わせてどこかに飛んでいく。やってくる頻度からすると、あきらかに複数のクマバチが来ている。

ハナバチの仲間はスズメバチやミツバチのような集団生活はしないが、複数の個体が同じ孔を産卵に利用することもあるらしいというのは知っていた。そばで作業をしていると杭の中からかさかさこそこそと音がする。自分で齧って掘り進んだ穴の中に蜜や花粉を運んで、卵を産む準備をしているのだ。この性質から、英語ではcarpenter beeというそうだ。よく見ると杭のまわりの草の上に白く木屑が散っている。あの堅そうな杭に孔を掘り抜くとは。見た目の猛悪な印象が裏返って、たくましい女大工たちのように見えてくるから不思議だ(笑)