水から水へ。

学校の合宿に出かける息子を六時過ぎに駅に送っていった。

帰宅して、陽射しが強くなる前に、庭で水撒きをしていると、蜂のそれよりすこし高い羽音がした。

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シオヤアブ。腹の先端に尻尾のように白い毛が生えているので雄である。獲物の身体に刺して体液を吸う口吻が見えているが、尖っていない。力技でねじこむんだろうか。蚊の口器のように一本に成形されているのかとも思っていたのだが、そうでもないらしい。

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今年はよく庭でムシヒキアブを見かけるのだが、みんな手ぶらだ。どうしたことだろう。

先日、メダカ幼稚園になっている睡蓮鉢の世話をしているときだった。

黄色くなって水面下に沈みかけている葉を抜き取ろうとして水の中を覗き込んだ。葉の影に隠れていた何者かと目が合った。げっ、ヤゴだったらどうしよう! と思って、急いで取ってきた銀の大匙(このまえプラナリアを捕まえるのに使ったあれ)ですくいとった。

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こ、これはサイズと頭の形からしイトトンボのヤゴっぽい…。オトナのメダカほどの大きさだ。

先日はこのメダカ幼稚園の鉢ではなく、花咲く熱帯睡蓮が入っている鉢の中にもこれと同じのが泳いでいるのを見た。この近所に水辺はなく(昔はあったが田圃がつぶされてなくなってしまった)、庭に親が来ているのは見たことがないから、熱帯睡蓮の苗ポットに入ってうちにやってきたのだろう。カゲロウの赤子かと思っていたが、きれいな流水ではなく止水で育つのだから、トンボにちがいない。このまえメダカを隔離するときに睡蓮鉢三つの水を利用しているあいだに移ってしまったのだろう。問題はメダカの稚魚を捕食していなかったかどうかだが…今日も大小二十匹はいたからたぶん大丈夫(おーい

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うちの庭から一歩も出ることなくヤゴを二匹も見られるとは。

こうやって植物について移動する虫が、移った先の国や地域で爆発的に増えて害虫認定されることがあるが、そんなことはいとも簡単に起きるんだろうな。

熱帯睡蓮の鉢に放した。二匹で共食いしないといいんだけれど。