スカイ・クロラ The Sky Crawler

戦闘機(先日はテレビで「飛燕」の名を挙げていた)が好きな押井監督の飛行機映画と思って見に行ったら、わりとSFだった。昨年話題になった『虐殺…』にも通じる「戦争」と「人を殺すこと」に関するものすごくグロテスクな設定を、淡々とした描写で殺菌している。原作は未読だけれど、森氏のほかの作品からしてなんとなく雰囲気が分かる。続編を今度読んでみよう。

登場人物たちがみな親の仇のように煙草を吸いまくるのは、あれは嫌煙社会に対する厭味もあるんだろうか。押井作品を愛しつつ早逝した友人も、メンソール煙草をよく吸っていたっけ。

機体の後方に二重反転プロペラがついたヒコーキというのを初めて観たので、そちら方面に明るい相方に聞いたら、旧日本の「震電」によく似ているとのこと。wikiで調べて、実戦には間に合わなかった機体であるのを知った。そうか…。恐竜好きが二度と目にすることは叶わないイキモノの巨体を想像するように、ヒコーキ好きは、飛ぶことをゆるされなかった鳥の勇姿をひと目みたいと思うんだろうな。