ジェネラル・ルージュの伝説

ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて

ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて

チーム・バチスタの栄光』から始まる東城大医学部クロニクル。そのなかで救急救命センターに君臨する「血塗れ将軍」こと外科医・速水の若き日の伝説を描く短編に加えて、著者の年譜、自作解説のみならず、登場人物一覧や相関図、名言集、用語辞典まで載せている公式ファンブックである(笑)

執筆秘話、それと同時進行の「動かざること山の如し」のエスタブリッシュメント各方面との戦い、物語同士の連携など、あのシリーズが好きなひとは面白く読めるだろう。

海堂氏が猛烈な速筆なのは有名だが「100枚の分量なら調子がよければ一日、ふつうなら二日で書ける」というのは本当にすごいと思う。その反面、『チーム・バチスタ…』は「このミス」投稿までに最低50回は推敲しているという。読んでいる当時、無駄や隙が全く無い純度の高い文章だと思ったのはそのせいだったらしい。思いついたら即書き始めて一気呵成にあの分量をやっつけてしまうって、どんだけ集中力があるんだか。