ひびきあう東西の美術―――開港から現代まで

先日の日曜日も、子供に頼まれて横浜美術館にいった。開催されていたのは「ひびきあう東西の美術―――開港から現代まで」。ハイネが描いたと伝えられる有名な『ペルリ提督横浜上陸の図』から立体的な現代美術まで、東西の美術のなかに見られる相互の影響をテーマにした展覧会である。

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息子は、歴史の教科書に載っているアレな政治ポンチ絵で有名なビゴーが本気を出した油彩の大作『漁夫』に感銘を受けていた様子(笑)

明治期の日本の姿を細密なエッチングで活写したオーストラリア人、モーティマー・メンペス Mortimer Menpes (1855-1939)のことはこの展覧会で初めて知った。河鍋暁斎に弟子入りするなど、当時の日本美術にかなり詳しかったようだ。彼の作品の雰囲気はこんな感じ。

Oriental Interior

On the Canal, Osaka, Japan

flower of the tea

山村耕花の『ウンスン歌留多』も印象に残った。天正時代の美少年二人が二人腹ばいになって向かい合い、カルタ遊びに興じる様子を描いている。彼らが手にしているカルタの絵は、自分も持っているマルセイユ版タロットの絵柄とほとんど同じだ。同じ由来を持つ舶来のカードが時代によって遊びに使われたり占いに使われたりと、身近にあるものから長い歴史を読み取るのも面白い。