オッド・トーマスの霊感

オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7)

『ウォッチャーズ』や『ライトニング』以来読んでいなかったクーンツの本。相方から借りた。

ベッドに転がって読了。そのままベッドのなかでこれを打っている。

同じくアメリカ産で心霊系を扱っているドラマ『スーパーナチュラル』と映画『ギフト』、どちらに近い雰囲気かといえば後者だろう。死者を視る力を備えた若い主人公が住む片田舎の街。その小さな世界を黒雲のように覆う事件の予兆。物語は明らかに911の洗礼を受けてはいるものの、クーンツは人間のなかの善き部分を優しくいとしむように描き出して、忘れがたい余韻を与えている。

シリーズものだそうなので、続きが翻訳されるのが楽しみだ。

読み終えて、『ウォッチャーズ』を再読したくなった、あれこそ犬文学史上の不朽の名作。ゴールデンレトリーバーを飼ったらアインシュタインと名付けようと思った人は多いはずだ。

ウォッチャーズ〈上〉 (文春文庫)

ウォッチャーズ〈上〉 (文春文庫)