タブロウ・ゲート4~6、タブロウ・ゲート0(上下)
小学生のとき、生まれてはじめて毎月買うようになった少女漫画雑誌が秋田書店の『プリンセス』だった(長じて国際謀略系の小説が好きになったのは明らかに、今も続く名物連載『エロイカより愛をこめて』の影響)。この歳になっていまだにその系列誌の漫画を読んでいるという事態は想定していなかったが、読みたい話をなんでも自由に買って読めるのがオトナの余禄、ということで華麗にスルー。
現在は『プリンセスゴールド』誌で連載が続いているこの作品、当初は角川書店の雑誌で連載されていたのだそうだ(2000~2001)。雑誌休刊とともに宙に浮いた話を収録したものが「0」で、現行の設定や展開とは細部で微妙に異なっている。作り手による物語の基礎工事、読者に見せるときの試行錯誤の舞台裏を見るようで面白かった。
タブロウたちの名は、実在した(というとそんなんいないだろと突っ込みが入りそうだが)魔術師や隠秘学者、タロット関係者*1から取られているようだが、それ以外は物語に黒すぎるオカルトの影はなく、少女漫画として楽しく読める。イラストレーターでもある作者は、描きたい一枚絵の間をつなげるようにしてコマを割っているようだ。見開きのバランスがとても美しい。