パラノーマル・アクティビティ

息子が観たいというので借りてきた。彼はこちら方面に興味があるくせに怖がりだ。案の定、ひとりでは観られなかったらしく、一緒に観ようといいだした。連休明けのわりとヘビイな残業後にこういうのはいかがなものかと思いながらおつきあいで鑑賞(笑)

結論からいうと、観ている彼の反応がいちばん面白かった。

小さい頃からの怪異になかばなじんで厭な日常として捉えている彼女と、怪異をカメラで追いつめようとする彼氏の温度差は、 男女の問題解決に対する態度の違いも反映している。

女性は解決よりも共感を求めて心配事や問題に関する愚痴をいったり相談したりするが、男性はまず解決策を提示して即時の対応を求め、そして対応策を試さないと怒り出したりする。いやいや、そこんとこはかーなーり微妙で、ずばっと解決できる話じゃなくって、という場面でもそうなる。男性にとっては問題解決が自らの資質を示す良い機会だからなんだろうが、女はひたすら愚痴を聴いてほしいだけだったりするから、そこでどうしてもすれちがいが生じる。男性にいわせれば「愚痴ばかりで進歩がないからその話はもう聞かない」となるし、聴いてもらう行為で癒しを得る女性の側もストレスをためることになる。

この映画の彼女も、彼氏でなく女友達に相談して、何人かで「きゃー、音がした、怖ーい」と経験を共有するのにとどめていたら、あんな結果にならなかったような。←それじゃあ映画にならんて

怪異とははじめからかかわりあいにならないのがいちばん。実話怪談(実際にはどれくらい実話なのかはよくわからないがそう認定されている作品群)を山のように読むと、そう思わざるをえない。深い淵を覗きこめば、見つめ返すものがいるのはガチだと思っているからこそ、見ない、なるべくなら話さない、ぜったいにそばによらない。そうでなくても日々問題てんこもり。そんなところで絡まれてもケアできない。