夢をみるために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

この著者の先般のベストセラー作品は、買ったくせに読んでいない。最初の100ページであまりのムラカミ純度100%っぷりに音を上げて、本を閉じてそのままになっている。いや、アンチではないのだ。ティーンの頃からずっと彼の作品を愛読してきた。赤と緑のカバーが本屋を席捲したノルウェー事変のときも、あれぇそんなに売れる作家さんだったっけか、と首をかしげつつも乗り切った。

長年読んでいる作家氏のひさびさの新作長編を大喜びで買ったのに、あまりに濃度が高すぎて読むのがツラクなるなんて事態は想定していなかった。厚いハードカバー数冊は、最近めっきり忙しくなったせいもあって今も積読のままだ。残念すぎる。

しかしそれでも彼の言葉を読みたい気持ちに変わりはないので、このインタビュー集は迷わず買ってきた。想像力の井戸の底に時間をかけて降りていくことを厭わない、誠実な書き手である彼の作品は、文字通り世界中で読まれている。どうやってあの作品群が生み出されてきたのかを知りたいと願う者の数が、地球上でもっとも多い作家のひとりでもあるだろう。読むのが楽しみだ。