WORLD WAR Z

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出た当時に買って半年寝かせておいた本。翻訳の文体はとても読みやすいのだが、なにせ時間がなかった。

ヒストリーチャンネルなどで観る歴史ドキュメンタリーのように、さまざまな出身や立場の人間のインタビュー記事を通じて「先の世界大戦」を浮き彫りにする構成をとっている。全世界をひとしく冒し、人類を未曾有の恐怖に叩きこんだ敵は「生きている死体」、つまりゾンビだった。

インタビューに答える人間の国籍は、アメリカ、ロシア、中国、インド…とばらばらだが、ゾンビ・アウトブレイクとの対し方・戦い方に、お国柄がはっきり出ていて面白い。

日本編では、現代日本の今を取り入れつつもやっぱり海外のニッポン観はこういうアレ方面のイメージにたどりつくんだろうか、と妙な納得もしてしまった。神様ねー。ふーん。*1

ちなみに、実際に日本でゾンビ禍が起きたら、という状況を個人の視点から描くのが以下の漫画である。

*1:言及されていた「庭師のシャベル=イクパスィ」は、なるほどと思える設定だった。これはアイヌの人々が、神に祈りを捧げる自らの舌足らずさを補う祭器として木を削って作る「酒箸」である。