ソロモンの鍵。

雨ばかり降る。

先日N賞を受賞したM女史のパパは、大学の先生だそうな。

友人は、彼の教え子だった。ふだんはいかにも教授らしい謹厳実直な先生なのに「娘の新刊が出ると、照れながらも持ってくるからかわいらしいんですよ」と云って、彼女はちょうど本屋で平積みになっていた『月魚』を薦めてくれた。

なんとなく、よしなが女史の絵柄で想像しながら読んだ。思った以上にぴったり。

受賞作もいずれ読んでみよう。

国営放送で、フランス特集番組を連日やっている。

昨夜は、オルセーを懐かしく見た。あの典雅な駅型美術館のどこかに『謎 Enigma』と題された作品がある。聖書の挿絵版画で著名なギュスターヴ・ドレの大作だ。何も知らずに絵の前に出て、見上げたとたんに動けなくなった。普仏戦争を題材にしているといわれるが、今も絵に関する詳細は良く知らない。解釈よりもなによりも、またあの絵の前に立ちたいものだ。

フランスの美術館と「謎」の取り合わせといえば映画化で話題になったアレだが、第三作『The Solomon Key』はいつ出るんだろう。一般名詞としての「ソロモンの鍵 Key of Solomon」は聖書に出てくるソロモン王が記したとされる魔法書のことだ。一作目のAngels and Demonsでヴァチカンと秘密結社、超絶ヒットの二作目でキリストのアレに関する伝説とくれば、三作目はキリスト教の暗い鏡像たる黒魔術やらがネタになるんだろうか。Langdon教授の専門はReligious Symbologyだからマッチングとしては最適なんだが…と思って、くるくる調べてみたら、ちょっと違ったらしい。なるほど、そうきたか。ネタを割るとつまんないかもしれないのでここには書かないが、友達から聞いた映画『ナショナル・トレジャー』っぽくないか?

まー、なんにせよ次の映画化は教授役はトム・H以外でよろしく。あれで一気に観にいく気が失せた…。