江戸時代のヒクイドリ。

口内炎が治ったと思ったら、今度はものもらい@左目ときたもんだ。

無駄と思われる残業はしないようにしているので、さほど遅くまで職場に居ないのだが、疲れはべつのところから発生しているらしい。つーか生活全般から発生するストレスからはそんな程度では逃げられないということか。

本はあいかわらず読めてないし、『CSI』シリーズも観られなくて寂しい。帰ってきたら子供の勉強の監督で一日が終わる。

そんなふうに忙しいからこそ気晴らしが必要になる。

友人に誘われて、プライス・コレクション@上野に先週末いってきた。

話題の若冲の作品のみならず、自然を丁寧に描いた江戸時代の優れた絵がたくさん観られて面白かった。

噂のタイル絵「鳥獣花木図屏風」には度肝を抜かれた。存在感がタダモノではない。200年前の絵だが、画面的にも技巧的にも二週間前に発表されたといっても不思議に思わないだろう。子供といっしょに鳥の種類の同定に夢中になってしまった。画面中央の鳳凰はともかく、真っ黒いヒクイドリや、キバタンなどのオウムの類はみな南半球に産する鳥たちだ。オオハシ@南米産やシチメンチョウ@北米産もいる。かれらが当時の日本にどうやって運ばれてきたのか気になるところだ。

うんと時間をかけてまわったために脚が棒になってしまって、お茶のコーナー隣のソファで一行全員で十数分爆睡したのは秘密。我々の周りにもそんな屍が累々。みんな気合が入りすぎて、くたびれてしまったのだろうか。

ミュージアムショップでは円山応挙のころんころんの仔犬たちをデザインした「朝顔狗子」マウスパッドや埴輪犬ぬいぐるみに心惹かれたが、ぐっと我慢。でもあの涼しげなガラスの文鎮は置くと目に心地よいかも。

外に出て美術館前の池にさしかかったときに、水面をかすめ飛ぶ大きなトンボを見かけた。縄張り哨戒中のヤンマらしい。東京の真ん中にもあんな大きなのがいるのかと感心していたら、息子が何かの細工物のように繊細な黄緑色のイトトンボを見つけた。池の縁に寄ってよく見てみると、各種のヤゴの抜け殻が並んでいた。メダカなどを食べてここで繁殖しているらしい。

環境さえ整えれば生きものたちはちゃんと街にもあらわれる。

いつか、トンボたちが透明な翅を光らせて群れ飛ぶ空が戻ればいいな。



追記:江戸時代の輸入珍鳥類についてこんなページがあった。

http://www.ndl.go.jp/nature/cha3/index.html

オランダ経由とか。よくあんな化物みたいにでかい鳥連れてきたなあ。むかし間近で見たときは真っ黒くて鳥っぽく見えなくて、すごく不気味だった…。