世界一短いクトゥルーへの手紙。(違)

去年、第弐齋藤さんのところでこの記事を読んだときにずいぶん広い層に愛されているんだなあクトゥルーは、と思ったものだ。

そういう人々に向けて、こんな募集があるそうな。

「史上最小のクトゥルー神話賞公募のお知らせ」

800字のクトゥルー神話。まとまったところをぜひ読んでみたい。

いろいろなひとが書いているクトゥルー話だが、大きく分けて三つのパターンがある。

1) 語り手の敗北/破滅/失踪/発狂

2) 語り手が撃退

3) 語り手があちらに仲間入り

それらがそつなくまとまって、まるで上手くできた二次創作のようなブロックの『アーカム計画』(創元推理文庫)は面白いが、あれ絶版? うえー。

始祖ラヴクラフトのいう「宇宙的な恐怖」という語について、南條竹則氏は、深甚なる「宇宙」なるものに対する恐怖はラヴクラフトの生きた1920年代の同時代的な認識としてヒュー・ロフティング「ドリトル先生シリーズ」の月旅行三部作にも反映されているのではないかという指摘をしていた。*1

黒い宇宙をゆっくりと翅をはばたかせて横切る巨大蛾ジャマロ・バンブルリリィのイメージは、月=異界の使者にはぴったりだ。…ほんとは空気がないから翅はぜんぜん役に立たなくて、ジェット噴射でもしないと飛んでこれないけどさ。つかドリトル先生もろとも大気圏で燃え尽きるって。<ええい、夢のない

あっ。子供たちが帰ってきた。昼ごはんの支度をせねば。

*1南條竹則ドリトル先生の英国』(文春新書)より