グエムル -漢江の怪物-

グエムル-漢江の怪物- スタンダード・エディション [DVD]

借りてきた映画『グエムル』を観た。観終わってみれば、怪物の姿を借りた国家/権力/社会と個人の不幸な関係を描いた大変まっとうな話だったのだが、画面ではでかいサカナともカエルともつかない何かが飛び跳ねてはギャー!なので、家族からはさっそく「そんな映画ばかり観ているから再婚できない」「もっとしっとりした映画を観ないとだめだ」と非難の声が。いつものことなのでスルー。息子が一緒に観たいと云わなければ居間のテレビで観たりはしなかった。夜中に独りで観た方が画面に集中できただろう。もったいないことをした。『DAGON』を探したのだがなかったのでいっしょに『ネクロノミカン』を借りてきた。

おなじポン・ジュノ監督+俳優ソン・ガンホ氏出演の映画『殺人の追憶』は、韓流好きの同僚たちと映画館で観たのだが『グエムル』は見逃した。大きなスクリーンで観たかった。怪物のサイズか小さすぎず大きすぎずで、多摩川隅田川からああいうのが上がってきてもなんだか納得してしまいそうだ。日本伝統の怪獣たちはたいていが常識の埒外のサイズだからなあ。怪獣と怪物の違いというか。日本なら間違いなく自衛隊*1や警察特殊車両二課中隊*2が活躍してくれるのだが、この映画の途中からは軍の姿も消えてひたすら家族vs怪物へと絞られていく。韓国男子たちがあんなに戦えるのは徴兵制と学生運動で鍛えられているから?w

で、この映画を観たのはクトゥルーがどんなふうに画面に登場したらかっこいいかを考えるためだったのだが、海から上がってビーチの裸女を蹴散らしてあんなふうに全速力で走ってきたりしたら。いやいやいや、それは何かが違う…。

*1有川浩『海の底』参照

*2:映画『WXIII 機動警察パトレイバー』参照