台風とフラワー・オブ・ライフ

台風襲来などいろいろ事情が重なって、相方がうちに遊びに来た。息子はすっかり喜んでしまって、子犬のようになついていた。

ちょうど今朝の新聞の書評で川上弘美氏が取り上げていたよしながふみ氏の『フラワー・オブ・ライフ』(新書館)全四巻が届いた。一気読みの贅沢を満喫した。難病を生きのびてしまった主人公の突き抜けた明るさとまっすぐさが周囲を巻き込んでいく様子が丁寧に描かれて、ほほえましい。彼のクラスメートで完成形態ヲタクの真島のドがつく鬼畜っぷりには何度も噴いた。

リアル腐女子ワールドを描いた『愛でしか作っていません』でもそうだったが、商業誌の漫画や小説しか読まない「普通」の読者にはなじみがないコミケ同人活動に関しては(よしなが女史がもともと同人出身ということもあって)リアルで詳細な説明があって、門外漢にもよくわかる仕組みになっている。読み終えた今、うっすらと思い出したのは栗本薫氏の『ぼくら』シリーズだ。あちらは70年代、こちらは00年代、背負うもの抱えるものは異なってもあの年頃の感覚としてなんとなく似ている気がした。

このあとは『皇国』ノベルスが待っている。