寒い国から来たバイオリニスト。

今夜の潜入先は、内輪のサロンリサイタル。チェロ奏者である友人の夫君がバイオリンを弾き、友人も一曲は伴奏で参加。アットホームな良い演奏会だった。

北欧出身である夫君による曲目説明で、ひさしぶりに映像音声ではない英語を耳にした。夫婦のふだんの会話はドイツ語だそうで、通訳をした友人も、ドイツ語なら彼が何を言うか先が読めるけど英語はお互いに慣れないからどきどきするよ! と笑っていた。

いちばん前の席で背筋を伸ばして聴きいっている七歳くらいの坊やがいた。足が床に届いていないのにまず萌えた(笑)

背の高い弾き手を見上げる横顔がものすごく真剣なので、これはバイオリンを習ってるんだろうなあと思って見ていた。情けないがうちの息子なら数秒で寝るだろう。

演奏後のミニパーティで、彼の母親と話していて、彼らがドイツ帰りだと知った。ミュンヘンに数年いたのだという。去り際に友人がなにやらドイツ語で坊やに話しかけると、彼は恥ずかしがって顔を赤くしながらも「Auf wiedersehen」ときちんと云って握手して帰っていった。『のだめ』のリトル千秋というか、いるんだなあ、ああいう音楽家のタマゴが。

英語がさびついているのを自覚。大事なときに話せなきゃ意味がない。