いまさらながら英語。

仕事から離れて以来すっかりさび付いている英語をなんとかしたいと思っていた。来年また何か仕事をするにしても、いままでやってきた読み書きだけでなく、きちんと話せたほうがいいに決まっている。求人募集で期待されている範囲(たとえば薬事申請アシスタント:TOEICスコア800以上、メール翻訳あり)よりも、もうふたまわりほど広い範囲の技能を持っていると自分も精神的にも楽というか。

翻訳発注の仕事をしているとき、つまり求人する側に立っていたときの経験から鑑みても、範囲ぎりぎりの能力しかない人間は使いにくいのだ。ある種の余裕、もうすこし精神的にも技能的にもタメがある働き手のほうが仕事をまかせやすい。


むかし、村上春樹氏が著書のどれかで「日本語もぺらぺら喋れないタイプのひとが、はたして英語ならぺらぺらと話せるようになるものだろうか」という疑問を呈していた。

これについては、「話せるようになる」「話せるようにはならない」と両方の答えができるのではないかと思う。

「話せるようになる」の根拠は、かつて米国に渡った日系一世の婦人たちに対する調査結果だ。どこで目にしたデータかは忘れてしまったが、彼女たちは、家庭においては従順な良妻賢母として夫に仕えていても、いったん外に出ると英語しか通じない環境で相手と渡り合うために論理的な英語を駆使してマシンガントークを展開していたという。家では日本にいるときと変わらない大和なでしこ、外ではべらんめえな英語を使い分ける。家庭の雑事をこなすためには住環境によく適応している必要があるし、それはそうならざるをえないだろうと思う。

「話せるようにならない」のほうは、語順や文法が気になって固まってしまうタイプと、村上氏が云うようなもともと話すのが得意でないタイプがいるだろう。


自分は完全に後者の混合型だ。話すのは苦手だ。*1


先日も息子がテストを受けている間によさげな英語本を探して本屋をうろうろしたのだが、聴いたり話したりの勉強には、本を買ってもしかたがないのはわかっていた。英会話学校にいく気もない。自分の場合、ああいうところでは受身になってしまってもう効き目がないのだ。えーと、長年にわたって麻薬を打ちすぎて普通の投与量ではもう効かないっていうか(危険)

ネット検索した末、SNS型英語学習サイト「iKnow!」を利用することにした。TOEIC対策やビジネス英語、旅行英語などいろいろな学習コースから選べて、使うのも簡単だ。

こういうインタラクティブ学習は、むかし息子が買ってくれた*2DSゲームソフト『えいご漬け』でなじみがあったので抵抗もなくスタート。一時間かけてばっちりとPCの前で発音や書き取りをしたのち、昼から字幕放送の『CSI』を視聴してみた。おお、みんなの会話がこころなしか聴き取りやすいよ! と自己暗示をかけておいて、勉強を継続する予定。「一日30分」をちゃんと一ヶ月続けられるように、毎日ここに何かしら書くようにしようかな。

ロシア語も気になったまま放置している。ああいうサイトがあったらいいのに。DSゲーム『ろしあ語漬け』があったら飛びついて買う。もっとメジャーな中国語でもやってみるか…。

*1:ここを読んでいるリアル知人の中には、えー、それにしてはよくしゃべるじゃないか、と思ったひともいるかもしれないが本質的には苦手である。

*2:息子に何かを買ってもらったなどと書くととたんに気分が老け込むが、彼は本当に自分のお年玉で「はい、これは英語のお仕事をしてるママに」といって買ってくれたのだった。あれがもう二年前なのか…。<また老け込んでいる