文字の体系は脳の働き方を変える。

先日頼んだ『プルーストイカ』が届いたので読書リハビリのためにぱらぱらしてみた。

この本によると、読書は、想像以上に複雑で高度な脳内の過程を必要とするようだ。これほどの作業を後天的に学ぶことができる脳のフレキシビリティの高さに驚きを感じた。

 どんな文字を読むにしても、計画スキルと単語に含まれる音と意味を分析するスキルを担う前頭葉と側頭葉の一部を使用するわけだが、表語文字体系が賦活させる前頭葉と側頭葉の領域は実に独特であるようだ。特に挙げられるのが、運動記憶に関与している領域である。ピッツバーグ大学の二人の認知神経科学者リー・ハイ・タンとチャールズ・ペルフェッティが率いるグループが示した重要な見解によると、中国語を読む時に、他の言語よりもこれらの運動記憶領域が著しく賦活されるのは、それが、幼い読み手たちの漢字学習方法であるからだそうだ。つまり、何度も繰り返し書くことによって、漢字を覚えていくというのである。(p.62より引用)

表意の漢字と表音の仮名を使う日本語はどうなんだろうと思って、さらに先を繰っていったら、表意体系、表音体系、そのミックスを使い分ける日本語脳に関して詳述されている箇所を見つけた。読みすすめていくのが楽しみ。