日本語活字ものがたり:草創期の人と書体

プルーストイカ』のサイド読書にいいかもしれない。図書館に行こうっと。

上記本はちまちまと進んでいて、「ソクラテスはなぜ書き言葉の普及を批判したのか」にさしかかった。口承文芸と「話し言葉」を重んじていた古代ギリシャの哲人ソクラテスは「書記言語野放しの状態の普及を激しく非難した」という。この「話し言葉」vs「書き言葉」を「伝統ある古典」vs「ネット情報」と書き直してみると、最近なんだかどこかで聞いたようなぐあいになる(笑)

書記言語についての吟味では、ソクラテスはたいていの人が意外に思うような見解をとった。書き言葉は社会に深刻な危険をもたらすものと、彼は強烈に感じていたのである。ソクラテスが抱いていた三つの概念は拍子抜けするほど単純に思えるが、実はそうではない。しかも、私たち自身が遂げようとしている新しい情報入手手段への知的移行を吟味しようとするにあたっては、全力を尽くして、ソクラテスが書記言語に反対した理由の核心に迫る価値がある。(p.112より引用)

著者が言っている「新しい情報入手手段」がネットのことであるのはいうまでもない。ますます面白い。