北村薫の創作表現講義 あなたを読む、わたしを書く
素材は、個性によってつかむ。また書き方にも、個性がなければいけません。
生徒創作の評を、皆さんにしていただく。そうすると、器用にまとまっている作品の評価が高くなったりします。でもね、身も蓋もない言い方をしてしまうと、《素人の書くうまさなんて、知れたもの》なんです。
そこから抜けられるかどうかが、問題なんですね。
(p.293より引用)
自身が作家である北村氏の経験と見識をベースに、歌人、編集者、朗読者など、文芸創作にプロとしてかかわるひとびとの語りをまじえて、読むこと、そして書くことを立体的に浮かび上がらせている。読み終えるのがもったいなくて一章ずつゆっくりと読んできたが、とうとう終わってしまった。
とても良い講義だった。