Nothing Personal.

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新人二人が職場に来て一ヶ月経った。年はそれぞれ二十代と四十代(子供あり)と、かなり離れているが、なぜか二人そろって水をやっても肥料をやっても育たない恐怖の社会人モドキである。職場で働くときのスキルやマナーが身についていない。仕事も(馴れていないことを割り引いても)遅すぎて、使える戦力にはならないことがはっきりしてきた。何度いっても同じ間違いを犯し、フツーやらんだろうというミスも多い。彼らの方向を間違えたやる気は空回りして、間違いもぐらをはてしなく叩き続ける同僚たちの顔は日に日に暗くなっていく。対応に思い悩んで胃をやられたチームリーダーがとうとう、めったにとらない休みをとった晩、同僚たちとつれだって社外の会議室(画像参照w)に赴いて今後の策を練った。

われわれはいわば作業をひたすらこなすために雇われている、生きたプロセッサである。レベルに達していない人材に対して手厚い教育的指導を施す時間と権限がない。その権能を持つリーダーはすでに彼らを見切った。

手をかけても育たず、学ぶことがない相手に時間をかけるのは、暗い底なしのうつろに水を注ぐのとよく似ている。それでも、長いときを経ていつかは水が満ちていくのかもしれないが、部署にはそれを待つ余裕がない。

ぴんと張られた鋼線の橋の上を足を切らないように注意しながら渡るとき、歩けない誰かの重みを引き受ければ鋼は皮膚に食い込み、足裏はずたずたに切り裂かれてしまう。皆が少しずつバランスを崩せば不安定な橋は揺れて、やがては全員が闇の中に墜落していく。

橋はもう揺れ始めている。さて、どうしてくれようか。